カウンセリング

息子・娘が不登校で、将来のことが不安です。

こんにちは、心理カウンセラー諏訪田(すわだ)佳代です。

『いつの頃からか、
子供が学校に行かなくなって、
どうしてと理由を聞いても
答えてくれないし、
もうどうしたらいいのか
分からない…

これからの将来のことを
考えると、本当に不安で…』

家族の問題というのは、
時に自分の問題よりも
重くのしかかり、
自分ではどうすることも
できないことに
絶望感を感じることも
あるかもしれません。

子供が学校に
行かないという問題は、
家族個人を見るよりも、
家族全体のことに
目が向けられると、
登校再開のキッカケが
見えてきたりします。

ここでの家族全体を見るというのは、
家族の中の誰が悪者かを
探すのではありません。
世代を超えたそれぞれの
家系のパタンなどが
どのように今の自分たちの
家族に影響があるかなども含め
見ていくことです。

不登校の原因・理由は分からなくていい。

原因があって、
こういう結果があるという
因果的に物事を考えることが、
役に立つことも多いため、

私たちは、理由さえわかれば、
解決できるのではないかと
感じるのですが、

不登校については、
なぜこうなったのか、
どうして学校に行かないのかと
理由を本人に聞いても
本人もよく分からないこともあり、
問い詰められることで
より困ったりします。

何か理由を言わなければと、
給食が嫌だとか
通学途中の犬が怖いとか
理由を出すかもしれませんが、
それらのことを対処しても
登校再開へとつながらない
かもしれません。

世の中には
便利なもので溢れていて、
何か課題があっても、
便利なものを買えば
ワンタッチで不便が
なくなる時代ですから、

不登校の問題も
ワンタッチでなんとか解決し
登校を再開してもらえないかと
私たちは感じたりしますよね。

それほど、不登校のことが
親の心にも重くのしかかる
ということなんだと感じます。

では、学校に行きたくない
理由を聞かないんだとしたら、
どうしたらいいんでしょうか。

次の章で見ていきましょう。

家族全体における不登校の意味

問題があるのは子供で
親はその現象の外にいるというのが、
家族で起こることが多いのですが、
現象の外という立ち位置から
家族の問題にあたると
解決はなかなか
難しいかもしれません。

家族の問題というのは
不登校のことだけでなく
どの問題においても、
家族全体が相互に
関わっています。

身体に例えると
分かりやすいのですが、
身体は複数の臓器や
筋肉で成り立っており
お互いがお互いに
影響し合っています。

同じように
子供に不登校という
現象がでていても、
子供一人が問題というより
家族や家系の歴史が
関わっていることが
ほとんどです。

ここで大切なのは、
誰が悪いんだというような
悪い人を見つけようという
ことではありません。

今の家族だけでなく
自分たちが育った環境や
さらに前の世代から
引き継がれる、家系のパタンを
加味してみていくと
より全体像が見てきます。

不登校と家系のパタン

子供が不登校になることと、
家系のパタンは
どのように関係
しているのでしょうか。
具体例とともに
見てみましょう。

こんな家族の物語を
想像してみてください。

9歳の長女スティービーが
不登校になりました。
スティービーはお勉強も得意で
それまでは問題なく
学校に行っていたのに、
突然、反発的な態度を
取るようになり、
学校を休むようになり、
数ケ月不登校の状態となりました。

原家族(今の家族)について

スティービーは3人兄弟の長男で
2歳下の弟と、5歳下の妹がいます。
スティーブの父親は、
怒りっぽい性格だったため、
スティーブの母親は、なんとか
夫が家族の前で機嫌よく過ごせるよう
美味しい料理をたくさん作ったり、
笑顔で接したりしていましたが、
夫の一向に変わらない
態度に怒りを感じ、
感情的に夫を切り捨て、
情緒的関わりを持つのを諦めました。

父親が育った家族

家系のパタンを知るため
父親が育った家族のことを
見ていきましょう。

スティーブの父親ジョンは、
3人兄弟の次男で、
3歳の上の兄と、
2歳上の姉がいます。

ジョンの父親は事業をしていて
父親は長男であるジョンのお兄さんに
事業を引き継ぎました。
父親はジョンのお兄さんを
兄妹のなかでもとりわけ特別扱いし
事業や家族の繁栄を期待しています。
ジョンにも会社の一員になったら
どうかと父親は言いますが、
ジョンは父親に反発し家族と離れ、
他の地域で仕事を見つけました。

ジョンの母親は
姑との関係で苦労し、
助けてくれない自分の夫に対し、
内心、沸々と怒りを感じていましたが、
何も言わず、黙って耐えていました。

ジョンの母親は、
ジョンの妹とベッタリで
双子のように、常に
行動を共にしていましたが、
ジョンが26歳の時に、
癌でなくなります。

この家族にとってジョンは、
父親の言うことを聞かない
家族の傍にいない反逆者として
家族から扱われ、ジョンの父親は
ジョンを感情的に切り離しました。

ジョンからしてみると、
結局、長男を超えられないという
次男であることへのコンプレックス。
そして結局何をしたって、
父親は長男を、
母親は長女とベッタリで
ジョンは反逆者のような役割を
取らざる得なくなっていましたが、
本心では、父親に認めてもらいたかった、
そして母親には、
最後は帰る安心の場所として
いつまでもいてほしかったのに、
あまりに早く母親が亡くなり、
自分だけ家族のどこにも
付着できないそんなふうな想いを
深層では抱えていました。

母親が育った家族

スティーブの母親ケイトは
3人姉妹の末っ子で
5歳上の兄と、2歳の上の姉がいます。

ケイトの兄は長男として
家族から期待されていましたが、
仕事をしだした後も、
お金に苦労することが多く
幾度となく、両親にお金を要求し
両親も最初の頃は力になろうと
していましたが、
何度も続くことにホトホト疲れ、
家族の反逆者である長男を
感情的に切り離していました。

ケイトの父親は、
ケイトの妹のことを
特別に可愛がっていました。
ケイトの母親は、
知的な人でしたが、
心理的に落ち込みやすく
かわりがわり何か没頭できる
趣味を見つけ、その度に
ケイトもその趣味に連れていかれたり、
その趣味がいかに素晴らしいかに
ついて、ケイトに熱弁していました。

そんな母親もケイトの結婚した
翌年に、脳卒中で突然
亡くなってしまいました。
ケイトは母親に対し、相反する
2つの感情を抱いていました。
教養深いところへの尊敬の念と
次々に趣味に没頭し
自分のことをちゃんと
見てくれないことへの怒り。
そして、突然亡くなって
しまったことに
喪失感も残っています。

子供が不登校の意味

両親が育った家族には
似たようなパタンがありましたね。

怒りを感じている時、
それを相手と話し合うことなく
感情的に相手を切り離すこと。

そして親をなくした悲しみ。
ジョンは自分のことを
認めてくれなかった…という
父親への想い
ケイトも、趣味ばっかりじゃなくて
もっと自分を見てほしかったという
母親への想い
そしてどちらももう亡くなっていて
その思いだけが残っていること。

また、どちらの家族にも
家族にとって反逆者となる
人がいたこと。

これからのことと、
スティービーが不登校が
どんなふうに関係してるのでしょう。

夫婦間で怒りを表したり、
親の死のことからくる
未解決の課題などから
家族に緊張がはしるときは、
スティービーが
スケープゴートの役を引き受けて
つまり不登校になり、
家系で今まで出されてこなかった
秘密の感情であり、
怒りなどを反発的な態度で
表したりします。

このように夫婦となる関係性に
おいては、多くの場合、
何等かの似たパタンを持っています。

そういった相手にしか
エロスを感じないと
精神科医のボーエンは言いました。

今日の例題では、スティービーと
スティービーの両親
そして両親が育った家族の
3世代のみ書いておりますが、
そのさらに上の世代でも
似たようなパタンが
見られることと思います。

このように不登校という
現象があって、
それを、その子が問題で
その問題をなんとかすればよい
というのとは、少し異なる
アプローチが、登校再開に
つながることが多いです。

家族は互いに影響しあっているから、
家族の問題があっても、
誰か一が悪いわけじゃない
ということもご紹介しました。

参考にしていただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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